ベランダでの喫煙について

 賃貸住宅トラブルで非常に解決しにくい問題

 健康志向が高まる最近の傾向として、賃貸住宅でも最近多いトラブルの1つです。

 ベランダでの喫煙・・・

 最近は、加熱式たばこなど新しい嗜好品を使用する人も多くなってきましたが、依然と昔ながらのたばこが好きな人も多いです。愛煙家も周りを気にしたり、家族や退去時の敷金精算にマイナスにならないように、ベランダや換気扇の下などでたばこを吸われている方が多いですが、これが原因による賃貸住宅トラブルが増えております。

 

 嫌煙家が隣に住んでいる

 誰にも迷惑をかけないように、ベランダや換気扇の下で吸っているつもりでも、賃貸住宅に限ったことではないですが、近隣住民に嫌煙家が住んでいた場合に、トラブル・苦情になりやすいです。

 今回はどんな苦情が嫌煙家から入るのか、ベランダや換気扇の下での喫煙は本当のところどうなのか書いていきたいと思います。

 

 苦情の内容

実際の苦情内容

 隣の旦那さんがベランダでたばこを吸うために、洗濯物がベランダに干せない。(臭いが洗濯物について臭くなるから。)

 風の向きよって部屋の中にたばこの煙が入ってくるので、窓を開けることができない。天気の良い日に部屋の換気をしたいのに、なぜたばこを吸わない人間が我慢しなければならいのか。

 最近、夜涼しくなって来たので、窓を開けて寝たいが、隣の人がベランダでたばこを吸うので煙が入って来て気持ち悪くなり寝られない。

 外出時に隣の家の前を通ると換気扇の排気が共用廊下側に設置されているため、隣の人がたばこを吸っている時間に当たると、換気扇の排気から全身にたばこの煙を被り、不快になる。

 この辺から苦情内容が極端になってきます。。。

 天気がいいので、布団を干して外出したが、不在の間に他の部屋の人がベランダでたばこを吸ったみたいで、臭いが布団についてこれでは寝ることができない。どの部屋か特定して、布団を弁償して欲しい。

 子供が喘息のため、アパート全体を禁煙にできないか?

 物件契約時に隣にたばこを吸う人が住んでいるという説明はなかった。隣の住人を退去させるか、できないなら転居するのでその費用を支払って欲しい。

 

 

 とっ。。。まぁこのような内容の苦情や要望が日々管理会社に入って来ます。こちらとしても、できる限りは何とか対応してあげたいのですが、さすがに住人の方のたばこについても管理会社の責任みたいに苦情を言われる方も最近は多く対応に苦慮します。

 

 では、法的にベランダ喫煙・換気扇の下での喫煙は違法なのかどうか、ベランダは専有部なのか、それとも共用部なのか。ベランダ喫煙・換気扇の下での喫煙をやめさせることは可能なのか説明していきたいと思います。

 

ベランダ・廊下は専有部か共用部か

 結論からいうと、ベランダ・廊下は共用部です。

 賃貸住宅や分譲マンションにおいてベランダ・廊下は共用部になり、いくら自分の家の前であっても、勝手に荷物を置いたりはできません。よくあるケースが賃貸住宅の下駄箱は小さいので組み立て式の下駄箱を購入して、玄関横(共用廊下)に設置したり、カラーボックスを置いて物置代わりにしたりする人がいますが、これは管理会社から注意又は撤去を促されます。

 ベランダも同様にベランダ・廊下は火災等が発生した場合に避難通路になっていることが多く、ベランダの避難経路になりそうなところに、荷物を置いたりして、結果避難の妨げになった場合に、相手方から損害賠償請求される可能性が非常に高くなります。

 

共用部での喫煙をやめさせることはできるか

 では、共用部であるならば、ベランダでの喫煙をやめさせることはできるのでしょうか?

 まず、キチンの換気扇の下で喫煙は専有部分での喫煙になるため、その行為そのものをやめさせるのは正直難しいです。賃貸借契約書に室内は禁煙など明記されていれば、契約違反となり、退去させることもできなくはありません。この場合は賃貸住宅全体が禁煙住宅の場合や最初は喫煙可であったが、時代背景から途中から禁煙住宅になった場合です。(途中で禁煙に変更する場合は、賃借人の同意が必要になります。)

 ベランダ喫煙については現時点での法律では、禁止するのは不可能に近いと思います。ただし、受動喫煙により被害を受けた方の受忍限度を超えた場合、又は健康的に被害を受けた場合は相手方に対して、ベランダでの喫煙をやめてもらう、損害賠償の請求などができることもあります。

 しかし、受動喫煙健康被害の因果関係の立証を訴える側がしないといけないので、これは非常に難しいと思います。

 どうしてもたばこの煙が気になる場合は、禁煙住宅等を探して契約することをおすすめいたします。

 また、管理会社に責任追及をしても、そもそも管理会社が喫煙している訳ではないので、責任追及のつもりがクレーマー扱いされることにもなりません。

 最近の管理会社の多くはサービス向上のためにも、苦情の内容等の記録を取っている会社も多いです。いつ、どこの、誰が、どのような内容で連絡して、会社としてどのように対応したか記録しています。

 もし、何度か管理会社に連絡して電話口に出る人が毎回違うのに、「前にお電話いただきましたね。」なんて言われたら、間違いなく過去の履歴を開いて対応しています。

 

 くれぐれも、やりすぎないように注意してください。

 

 本日も読んでいただき、ありがとうございました。