自分で好きなようにDIY!最近の団地(公団)事情

 

はじめに


ここ最近、賃貸住宅においても自分らしさ、個性を強調した部屋が多くなってきています。
例えば、部屋の一部分の壁紙にアクセントを入れたり、退去時に剥がせるおしゃれなクロスの登場など、自分らしい部屋づくりができるようになってきました。そんな中もっと自分らしくDIYできる団地(公団)が密かに人気となっています。
今回はそんなDIY好きの方や、普通の賃貸住宅では物足りないという方のために、最近の団地事情をご紹介いたします。

 

団地とは


高度経済成長期に住宅不足を解消するために都心を中心に団地が多く建設されました。
当時は設備もかなり充実しており、それまでの日本家屋での暮らし方を一変させる洋風の間取りやダイニングキッチン、最先端の設備である水洗トイレなどを導入した住まいは、憧れの住まいとしてサラリーマンや新婚世帯にかなりの人気がありました。
その後、時代もかわり人々のライフスタイルの変化、戸建て・マンションへ需要が移り、団地住まいや団地の間取りは時代遅れと言われ徐々に団地の人気も遠のいていきました。現在は老朽化も進み、空室も目立つ団地も増えているのが現状です。
しかし、ここに来て若者や子育て世帯など、団地ならではの利便性や魅力に注目が集まり、新たな世代に人気が出てきております。

 

団地の魅力


団地と聞くと「時代遅れ」と思われる方も多いと思いますが、最近UR都市機構・住宅供給公社等は地域や民間企業と協力し「団地再生」の取り組みを進めています。
古い間取りや住宅設備を最新のものに変更し、現代のライフスタイルにあった団地暮らしを提案したりしています。
また中には契約した室内を入居者が自由にリノベーションすることのできる団地もあり、ライフスタイルや好みが多様化する現代において入居者のニーズにぴったりと合う自由度の高さが若い世代の人気の秘密ともな

 

最近の団地事情について実際の事例を紹介します。


1階から4階まで、階段をはさんだ8部屋を1単位で考え、そのうちの1部屋をみんなで利用するキッチンなどのコモンスペースにし、残り7部屋に2人~3人ずつ、合計で約18人がシェアして住むようにしました。
また「近隣住民祭」というイベントを始めたところもあります。
住人イベントは、団地の中で年に数回、住人みんなで顔を合わせて食事や音楽を楽しんでみる、世代を超えて知らない人と話をしてみる、特に団地にはお年寄りも多く住んでいるため、一人暮らしの方などはコミュニケーションがとれる機会になりました。
さらに団地の敷地内にコミュニティカフェを作ったところもあります。
カフェはお茶を飲むだけでなく、気持ちを切り替えたり、1人の時間を楽しんだり、さまざまな使われ方をします。人が集まり、人と人が交流する場所、カフェは昔からそんな場所でした。目的をもたずに、近隣の人と一緒にただ時間を過ごすのもいいものです。
これらはいずれも、団地住民のコミュニティの復活を目指したもの。
このように、空き住居をカフェや地域住民のコミュニティスペースなどにリノベーションすることで住人同士の交流を促し、若者や子育て世代の流入を図るといった取り組みも行われています。
また子育て世帯に嬉しい周辺環境があります。
大規模な団地は周辺の都市計画と合わせて建設されることが多かったため、広大な敷地の中に公園や商業施設、などもあり、お子さんを育てる環境も整っています。
確かに築年数がかなり経過しているのは否めませんが、その分賃料も近隣相場よりかなり安く室内の自由度も高い団地、これから転居を考えている方は検討材料の一つに考えてみてはいかがでしょうか?

今日はここまで。 本日も読んでいただきありがとうございました。

 

賃貸住宅の結露について

 

 

はじめに


ついこの前まで、朝会社に行くときのあのモワッとした空気・・・ 
ジメっとした湿気も9月に入り、朝晩は過ごし易くなってきましたね。
季節が秋から冬に向けて気を付けたいのが部屋の結露です。
 今日は賃貸住宅の結露についてお話したいと思います。


これから寒い季節に向かっていきますと、部屋の中暖房を使用しますよね? 
気が付くとお部屋の窓ガラスに水滴がいっぱいなんて経験された方多いのではないでしょうか?
この結露による壁紙等のカビの発生も物件退去時に非常にトラブルの原因になります。
窓ガラスの結露を放置していると、その周りの壁紙にカビやシミが発生し、さらに放置した場合は窓の木枠部分を腐らせてしまうこともあります。
また、結露が発生するということは、室内の湿度が高いので、ダニ発生の原因にもなり、アレルギーや喘息などの身体的疾患を誘発します。
では何故結露が発生するのでしょうか。

 

結露が発生する原因


まず結露は木造の賃貸物件よりも、鉄筋コンクリートや重量鉄骨マンションで発生するケースが多いのが特徴です。これは、木造に比べ気密性が高いためです。
結露の主な原因は寒暖差のため、外気と室内の空気に温度差が生じると、外気で冷えた窓ガラスやサッシが部屋の暖かい空気を冷やし、室内の水蒸気を水滴にします。夏に冷たいジュースをグラスに入れておくとグラスに水滴がつきますよね?
これは結露の発生と同じ原理です。
 また、結露は窓ガラスだけでなく、湿気の籠る場所(日当たりの悪い部屋や押し入れ)でも発生します。
 よく、日当たりの悪い部屋の押し入れに革ジャン入れておいたら、カビだらけになっていたなんてこと経験ありませんか?

結露を予防するには

結露は部屋の湿度が高い又は締め切っていて換気を十分に行わないと起こりやすくなります。
その原因としては
洗濯物を室内に干している
加湿器を使用している
観葉植物や水槽が置いてある
普段窓を閉めっぱなしで換気をしていない
などが考えられます。

対策としては、次のような方法が考えられます。
まずは、こまめに換気をすること! これが一番の方法だと思います。
朝夕など、定期的に窓を開けて換気をすれば、部屋の温度の上昇を防ぐことができます。
押し入れなども戸も閉めっぱなしにせず、外出時に開けておいて換気するなども効果があります。
また、入浴中や入浴後に浴室の換気扇を回して湿気を取ることや、外出時に換気扇を付けたままにすることも効果的です。
結露防止の商品を利用することも効果的です。
 窓の下の方に結露防止のテープを張ってみたり、見栄えが気になる方であれば、結露防止のスプレーなどもホームセンターで購入できます。
また、窓に断熱シートを貼ることも効果的です。
押し入れなど湿気が籠る場所には除湿剤を置くのもいいと思います。
 とにかく結露が発生していたら、まずは水分をふき取りカビやダニの発生を抑えるようにしてください。

しかし、結露が発生しやすいかどうか住んでみないとわからない、せっかく気に入って契約したのに住んでみたら湿気が凄いじゃん!なんてことにならないように、ワンポイントアドバイスです。

 

湿気が多い物件の特徴

 

新築の鉄筋コンクリート造のマンションは、建てたばかりでコンクリートの水分が十分に抜けきっていないため部屋の湿度が高くなる傾向があります。(すべての建物ではないので注意してください。)
物件に案内されたときに部屋の中のにおいに注意してください。結露が発生しやすい部屋はいくら壁紙等が新品に貼替されていても、カビ臭いのが特徴です。不動産業者の人は「締め切っていたので」なんて言い訳するかもしれませんが・・・
部屋全体もですが、押し入れやクローゼットの中の臭いも注意してみてくださいね。
 窓枠の腐食や壁紙の状態も確認してみてください。湿気の強い部屋の窓付近の壁紙に浮きや剥がれがないかなどもポイントです。

 

 

 今日はここまで、ポイントをつかんで失敗しないようにしてくださいね。本日も読んでいただきありがとうございます。

退去時の敷金精算トラブルについて

 はじめに

 長年住んでいた賃貸住宅を退去する時に遭遇する退去精算・・・ これも賃貸住宅トラブルの上位にあります。
賃貸住宅に住んだことのある方であれば一度は耳にしたことがある「原状回復義務」という用語
 では原状回復義務とは一体どんな意味なのでしょう?
ざっくりというと賃貸住宅の契約者が退去する際に、住んでいた部屋の損傷した部分を回復する義務のことをいいます。
 今回は事例をもとに説明していきたいと思います。

事  例

 賃借人 A氏
 間取り:1K
 賃 料:50,000円(共益費込み)
 敷 金:100,000円
 礼 金:50,000円
A氏は転職にあたり、4年間入居したアパートを退去することになりました。退去日当日、不動産業者による室内の損傷箇所をチェックするため立ち会い、退去に伴う原状回復費用についてはA氏の実家に請求書を送ることになりました。後日A氏の元に、『原状回復費用の請求書』が届きました。そこにはなんと、最初に支払った敷金100,000円以上の金額、125,000円と書かれていました。
請求書の内訳は・・・
室内クリーニング費用 30,000円
居室壁クロス貼替費用 50,000円
木枠塗装費用     25,000円
エアコン洗浄費用   20,000円

A氏が入居したとき壁紙は新品ではなく前入居者が退去したときの状態でした。またA氏はたばこも吸う人ではありませんでした。
不動産業者に確認の電話を入れましたA氏の主張は聞いてもらえず、立ち会いの時に何も言わないで今になっていうのはおかしいと言われる始末・・・
A氏はこんなに高額な請求が来るとは立ち会いの時は考えていませんでしたし、ひどい住み方をした覚えはないし、せいぜい敷金の金額の範囲内であろうと思っていました。
結局A氏は、退去立ち会い時に何も言わなかった自分にも非があり、揉めるもの面倒なので「仕方ないね」と、請求された金額を支払うことにしました。


A氏は支払わなければならなかったのか?


結論から言いますと、今回の事例では請求された全額を支払う必要はなかった可能性が大きいと考えられます。
賃貸借契約における「原状回復」とは、決して入居する前と同じ状態に戻すという意味ではありません。
以前はこの原状回復に対する考え方が非常に曖昧だったため、退去時の敷金精算・原状回復に関するトラブル事例が多発していました、このことを背景に国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発表し、原状回復に対する考え方、退去精算に対する指針を明記しました。
その内容としては、
経年劣化や通常の使用による損耗などは、賃料に含まれる。
賃借人による故意・過失、注意義務違反など、通常の使用を超える使用で汚損又は破損した場合は、賃借人の
負担とする。
 このような内容が記載されています。

A氏のように入居前に壁紙も新品ではなく、特に壁に傷をつけた覚えもなく、普通に生活していく中での汚れや日焼けは壁紙の貼替費用をA氏が負担する必要はありません。
もう一つあまり聞きなれない「注意義務違反」というのは例えば、部屋の掃除をしていなかった、部屋の換気を一切しなかったため、このことによって、壁紙にカビが発生したという場合は注意義務違反となります。
 しかし、ここでも重要なのは、仮に賃借人に善管注意義務違反があったからといってA氏のように入居時新品でない壁紙をA氏が新品にしなければいけないなんておかしいですよね。

 今回の場合、A氏が敷金精算費用に対し仮にガイドラインをもとに交渉していたら、退去時に請求された費用全額支払う必要はなかったと思われます。(逆に敷金100,000円がA氏に返還された。)

さて、ここでおさえておかなければいけないのが、「原状回復に関するガイドライン」は、あくまで「ガイドライン」。一応こんな感じで退去時の敷金精算をしてくださいね。という程度のもので法的効力はありませんでした。仮にこれから外れた範囲で原状回復を求められたとしても、当事者が合意すれば問題ありません。
もし、「不当な請求された」と訴えた場合、最近は賃借人の主張が認められるケースは増えていますが、結局は裁判官次第で訴えを提起しないと結果はわかりませんでした。


明るいニュース


2020年に民法改正されます。これにより、賃貸住宅事情にも大きな変化となるでしょう。
その一つが、「敷金の定義」・「原状回復義務」について明文化されます。

賃貸住宅を契約する場合、多くの場合「敷金・礼金」が発生します。礼金はその名の通り、家主さんに支払う謝礼金のことで、退去時に返金するものではありません。一方、敷金の返金に関しては、これまで原状回復同様、その定義が非常に曖昧でした。しかし、今回の民法改正により、「敷金は賃貸契約終了時に、原則全額返還される」ということが義務付けられることになります。
ほとんどの方は敷金とは、「退去時に原状回復にかかる費用を敷金から差し引いた金額が戻ってくる」と思っていたのではないでしょうか。
敷金とは、賃貸借契約時に「担保」として位置づけされています。言葉を変えると、「デポジット」とのようなものです。
 今回の民法改正により、これまで曖昧であった敷金の意味・原状回復についてはっきりしたと思います。

 

 

 今日はここまで。本日も読んでいただきありがとうございました。

心理的瑕疵物件(事故物件)について

はじめに

 転職や転勤、新学期や結婚等で新たな地で新しい生活を始めるため、賃貸住宅を契約し入居したのに、その物件において恐ろしい事件や事故があったとか教えてもらえないとわからないですよね。意外と多いのですが、契約時にその物件又はあなたが住んでいた部屋で過去何があったかを近隣住民から聞くなんてこともあります。そのような過去に事件・事故のあった物件を心理的瑕疵物件といいます。今日はそんな心理的瑕疵物件について説明していきます。

 

そもそも心的瑕疵物件(事故物件)ってなに?

 不動産売買・賃貸借契約の対象となる土地・建物でその物件の専有部又は共用部において何らかの原因で前契約者(居住者)が死亡した経緯のあるものをいいます。

 ただし、死亡の原因によっては事故物件と呼ばないものもあり、その判断基準には明確な定めはありません。

 一般的な事故物件といわれるもの

 ・事件死(殺人・傷害致死・火災等)

 ・事故死・自殺・災害・孤独死

 ・広義において、近隣に反社会勢力が居住

 

 事故物件といわれない場合が多いもの

 ・孤独死でも発見が早く腐敗等が進んでいない場合

 ・共用部(廊下・ベランダ屋上)からの飛び降り、転落死

 

 書いていても怖くなります。。。

 自分も実際に事故物件に遭遇したこともありますが、この仕事をしていてもあまり担当したくない事案ですね。

 

宅建業者心理的瑕疵物件の説明義務

 賃借人に心理的瑕疵物件を紹介する場合、宅建業者はその旨を必ず説明しなければなりません。

 ここまではいいのですが、前の契約者(居住者)についてはそうなのですが、一度心理的瑕疵物件に誰かが入居し、その後あなたが契約した場合はどうでしょう?説明義務があると思いますか?

 実はこの辺りはっきりと説明しなければならないいう明確な根拠はありません。なので、酷い宅建業者や家主の中には、管理している物件又は自分の持っている賃貸物件に心理的瑕疵が発生した場合、一時的に知人や知り合いの名義を借りて入居したことにし、1年ぐらい経過したら説明をしないで新しい入居者の募集を始めるところもあります。(現在では絶対的に少ないと思います。)

 また、実際に担当していた家主さんで、心理的瑕疵が発生した時に次回の募集について賃料をかなり下げ、尚且つ契約にあたっては心理的瑕疵の説明をしなければならないことを伝えると、「全責任は自分が負うので、内緒で募集して欲しい。」って言われたこともあります。(もちろんその部屋だけ募集はしませんでした。)

 このようなことは、何度か経験したことなので、全体的にみると水面下ではこういった話はよくあることかもしれません。

 実務的には2回目以降の心理的瑕疵の説明については、決まりがないため、判例や過去の事例に基づいて対応している業者さんも多いです。

 一般的には。。。

 前契約者(居住者)の事件・事故については説明をする。2回目以降については事件死など報道等で周知されている場合は説明を行う。孤独死等においては死後発見が早く腐敗等が著しくない場合は、2回目以降の説明は状況に応じて判断する。腐敗等がひどい状態で発見された場合は、説明しない場合もある。

 屋上からの飛び降りなどは、契約する部屋とは基本的に関係ないため、報道等されていない場合は、あまり説明しません。

 細かい内容まで記載できないですが、基本的にはケースバイケースでその時によって対応のバラバラなのが実情です。(明確な定めがないため)

 では、契約者はこのような場合どうしたらいいのでしょうか。。。

 

心理的瑕疵物件であることを説明されずに契約した場合

 本来説明をしなければならない、前契約者(居住者)の心理的瑕疵を説明せず

後になってそのことが判明した場合は、契約の解除をすることができると思います。

 しかし、先ほども記載したとおり、2回目の心理的瑕疵や契約号室以外の同じ建物の他の部屋での殺人事件など説明義務が曖昧な場合は、泣き寝入りしなければならいかというと、そんなこともありません。

 この場合は消費者契約法第4条によって取り消すことができます。

 消費者契約法第4条1項及び2項 
 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一  重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二  物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認

 

 めちゃくちゃ難しく書いてますね。。。

 要は、その内容を事前に説明を受けていたら、契約しなかったなど、消費者の契約に重大な事実を告げなかった場合は、契約を取り消すことができます。

 ただ、これも使い方によります。ご自身が契約した部屋であれば十分可能と思いますが、例えば屋上から飛び降りた場合や、もう10年も経過した事件死などについては使えないこともありますので、万一、不動産業者とこのようなことで争いになりそうな場合は、専門家等に事前に相談した上で対応しましょう。

 

 今日はここまで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

ベランダでの喫煙について

 賃貸住宅トラブルで非常に解決しにくい問題

 健康志向が高まる最近の傾向として、賃貸住宅でも最近多いトラブルの1つです。

 ベランダでの喫煙・・・

 最近は、加熱式たばこなど新しい嗜好品を使用する人も多くなってきましたが、依然と昔ながらのたばこが好きな人も多いです。愛煙家も周りを気にしたり、家族や退去時の敷金精算にマイナスにならないように、ベランダや換気扇の下などでたばこを吸われている方が多いですが、これが原因による賃貸住宅トラブルが増えております。

 

 嫌煙家が隣に住んでいる

 誰にも迷惑をかけないように、ベランダや換気扇の下で吸っているつもりでも、賃貸住宅に限ったことではないですが、近隣住民に嫌煙家が住んでいた場合に、トラブル・苦情になりやすいです。

 今回はどんな苦情が嫌煙家から入るのか、ベランダや換気扇の下での喫煙は本当のところどうなのか書いていきたいと思います。

 

 苦情の内容

実際の苦情内容

 隣の旦那さんがベランダでたばこを吸うために、洗濯物がベランダに干せない。(臭いが洗濯物について臭くなるから。)

 風の向きよって部屋の中にたばこの煙が入ってくるので、窓を開けることができない。天気の良い日に部屋の換気をしたいのに、なぜたばこを吸わない人間が我慢しなければならいのか。

 最近、夜涼しくなって来たので、窓を開けて寝たいが、隣の人がベランダでたばこを吸うので煙が入って来て気持ち悪くなり寝られない。

 外出時に隣の家の前を通ると換気扇の排気が共用廊下側に設置されているため、隣の人がたばこを吸っている時間に当たると、換気扇の排気から全身にたばこの煙を被り、不快になる。

 この辺から苦情内容が極端になってきます。。。

 天気がいいので、布団を干して外出したが、不在の間に他の部屋の人がベランダでたばこを吸ったみたいで、臭いが布団についてこれでは寝ることができない。どの部屋か特定して、布団を弁償して欲しい。

 子供が喘息のため、アパート全体を禁煙にできないか?

 物件契約時に隣にたばこを吸う人が住んでいるという説明はなかった。隣の住人を退去させるか、できないなら転居するのでその費用を支払って欲しい。

 

 

 とっ。。。まぁこのような内容の苦情や要望が日々管理会社に入って来ます。こちらとしても、できる限りは何とか対応してあげたいのですが、さすがに住人の方のたばこについても管理会社の責任みたいに苦情を言われる方も最近は多く対応に苦慮します。

 

 では、法的にベランダ喫煙・換気扇の下での喫煙は違法なのかどうか、ベランダは専有部なのか、それとも共用部なのか。ベランダ喫煙・換気扇の下での喫煙をやめさせることは可能なのか説明していきたいと思います。

 

ベランダ・廊下は専有部か共用部か

 結論からいうと、ベランダ・廊下は共用部です。

 賃貸住宅や分譲マンションにおいてベランダ・廊下は共用部になり、いくら自分の家の前であっても、勝手に荷物を置いたりはできません。よくあるケースが賃貸住宅の下駄箱は小さいので組み立て式の下駄箱を購入して、玄関横(共用廊下)に設置したり、カラーボックスを置いて物置代わりにしたりする人がいますが、これは管理会社から注意又は撤去を促されます。

 ベランダも同様にベランダ・廊下は火災等が発生した場合に避難通路になっていることが多く、ベランダの避難経路になりそうなところに、荷物を置いたりして、結果避難の妨げになった場合に、相手方から損害賠償請求される可能性が非常に高くなります。

 

共用部での喫煙をやめさせることはできるか

 では、共用部であるならば、ベランダでの喫煙をやめさせることはできるのでしょうか?

 まず、キチンの換気扇の下で喫煙は専有部分での喫煙になるため、その行為そのものをやめさせるのは正直難しいです。賃貸借契約書に室内は禁煙など明記されていれば、契約違反となり、退去させることもできなくはありません。この場合は賃貸住宅全体が禁煙住宅の場合や最初は喫煙可であったが、時代背景から途中から禁煙住宅になった場合です。(途中で禁煙に変更する場合は、賃借人の同意が必要になります。)

 ベランダ喫煙については現時点での法律では、禁止するのは不可能に近いと思います。ただし、受動喫煙により被害を受けた方の受忍限度を超えた場合、又は健康的に被害を受けた場合は相手方に対して、ベランダでの喫煙をやめてもらう、損害賠償の請求などができることもあります。

 しかし、受動喫煙健康被害の因果関係の立証を訴える側がしないといけないので、これは非常に難しいと思います。

 どうしてもたばこの煙が気になる場合は、禁煙住宅等を探して契約することをおすすめいたします。

 また、管理会社に責任追及をしても、そもそも管理会社が喫煙している訳ではないので、責任追及のつもりがクレーマー扱いされることにもなりません。

 最近の管理会社の多くはサービス向上のためにも、苦情の内容等の記録を取っている会社も多いです。いつ、どこの、誰が、どのような内容で連絡して、会社としてどのように対応したか記録しています。

 もし、何度か管理会社に連絡して電話口に出る人が毎回違うのに、「前にお電話いただきましたね。」なんて言われたら、間違いなく過去の履歴を開いて対応しています。

 

 くれぐれも、やりすぎないように注意してください。

 

 本日も読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

賃貸住宅の騒音について

苦情の件数でもダントツの1位

 毎日様々な電話・メールが届きますが、その中でも騒音に関する苦情の連絡はダントツの1位です。多いときはメールだけでも、数件届きます。

 

 一般的な騒音に対する管理会社の対応方法としては、

①賃貸住宅全戸に対し、騒音に対する一般的な注意文の配布

②改善がない場合は、騒音の部屋に対し注意文の配布又は電話での注意

③それでも改善がない場合は、直接の訪問での注意

④最終的には騒音に対する念書又は覚書して注意勧告

⑤上記書面に基づき退去をしてもらう

 一般的な対応としてはこんな感じになります。

 騒音といっても内容も様々で今回は比較的解決しやすい内容から説明していきたいと思います。

 

1,学生などの一人暮らしで、友人を大勢呼び騒ぐ・話し声

 初めての一人暮らしや、比較的学校に近いところに賃貸住宅を契約した人、サークルなど交友関係の広い人に多い苦情です。

 この場合は明らかに、入居者に非があるため注意も行いやすく、未成年の場合などについては親御さんに連絡をして注意をしてもらいます。比較的簡単に解決できるケースが多いです。また、注意しても改善がない場合は、管理会社としても退去させやすい事案です。

 

2,深夜の音楽・掃除機の音・夜中の洗濯・ドアの開閉・足音

 この場合は2パターンあって、ただ単に夜遅くに掃除機や洗濯をする人と勤務時間の関係(夜勤など)の場合とで対応が変わってきます。前述の場合は、あくまで最初はお願いになりますが、時間帯変えて洗濯・掃除をしてもらう。後述の場合は、騒音元と苦情を言われている方双方に理解を求めるようにします。ドアの開閉・深夜の音楽に対しては、やめてもらうか音量を下げてもらうようにお願いします。

 足音については、意外と騒音元の方が気付いていない場合が多く、連絡を入れると本人も意外なせいか、非常に驚かれます。場合によっては注意したことにより怒り出す方も少なくありません。まずは事実を伝え、騒音元には注意してもらうようにして、苦情を言われた方には、注意したので様子をみて欲しいとアナウンスします。

 

3,子供が騒ぐ・泣き声

 この辺から対応に注意が必要になってきます。活発なお子さんというのはいつの時代もいます。それに元気なお子さんに騒ぐなといっても、理解できないですし、親御さんも子供のやっていることだからと、なかなか理解されません。これは賃貸住宅での単身用よりファミリー世帯に多い苦情です。お互い子供を持つ親であれば、解決も早いのですが、最近は生活スタイルも多様化しており、DINKSも多いためケースバイケースですが、一概にこれという解決策はなく、事案ごとに対応が異なります。

 

4,番外編

 正直この苦情が一番注意しにくい内容です。

 ずばりっ! 「男女の〇〇〇がうるさいっ!」というもの

 これは、管理会社としては非常に何だいな苦情です。なんて言えばいいのか悩みます。内容も、内容だし、このことを伝えることによって、あなたの声が大きいですよって言われた方も・・・

 また、これは実際にあった苦情ですが、隣に若い女性が契約していて、その隣に入居して来たのが、無職のおじさんでした。

 おじさんから電話があり、「夜に何かモーターの音がするし、隣の女性が悲鳴を上げている。僕は助けてあげたい。」って・・・

 よくよく調べていくと、その女性の彼氏が遊びに来た夜に毎回そうだと・・・

 

 そりゃ、あなた・・・ 若いカップルが夜一緒にいたらね・・・ ねっ・・・

 この時は、それとなくその女性に伝えたところ、女性も察したのでしょう。

 その後程なくして退去していきました。

 

5,法的な考え方

 騒音に対して、民法的な考え方としては、民事裁判において損害賠償請求をすることになりますが、どのような不法行為を相手方が行ったのか、騒音の解決について管理会社にどのような債務不履行責任があったのかなど、訴える側が立証しなければなりません。このように書くと簡単ですが、実際に行うのは非常に難しく、実際のところこのような騒音で訴訟に発展することは殆どありません。

 理由としては、苦情を言われる方は、騒音元よりも管理会社の責任を言われる方が多いのですが、本来騒音を出している騒音元が原因なのに、騒音が収まらないのは管理会社の責任だと言って、管理会社を訴えるぞって言われます。しかし、管理会社が全く何も対応していないケースは非常に少なく、債務不履行責任があるとまで言えない場合が殆どです。

 大抵の場合は、対応したけど十分ではなかった(不完全履行)という扱いになり、当初の損害賠償請求額よりかなり減額される場合が多いです。

 民事調停の場合はまた違ってきますが、苦情を言われた方の時間と労力を考えると割が合うものではないと思います。

 

 以上、長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

祝賃貸不動産トラブル110番開設

 はじめまして 269Channelがお送りする、

   賃貸不動産トラブル110番のブログです。

 管理会社に勤務する私が、これまで体験した賃貸住宅トラブルに関する内容や、入居者の方との日々のやりとり、賃貸不動産に関する法律問題、我が社にいるオモシロ社員の内容を記事にしていこうと思います。

 

 それでは、簡単に自己紹介します。

 20代前半の頃より賃貸不動産管理の仕事をしています。

 現場で入居者の方、大家さんの対応、小さなお店の店長などを経験し、その後、法律相談を受ける部署で、お店からのトラブル相談・法律相談を顧問弁護士の先生の下で対応するようになりました。(約7年ほど)

 現在は、別の部署の管理職として働いています。

 20代半ばにインターネットの掲示板で敷金精算や騒音などの近隣トラブルの賃貸トラブルの相談を受けアドバイスを行うことで、書き込んだ方からお礼のメールなど多数いただき、あの時よりさらに知識が増えた今、あの頃よりもっと読んでくれる方に有益な情報を発信できると思い、再挑戦しました。

 

 今日は、とりあえず自己紹介ということで、今後賃貸不動産トラブル110番についての記事を書いていきたいと思います。

 はてなブログも初めて使用するので、慣れるまでは時間がかかると思いますが、読んでくれる方が今後自分に起こりうる様々な賃貸不動産トラブルに対し、これから書いていく記事が少しでも役に立つことができれば、うれしいですね。

 

 よろしくお願いいたします。